硝子の靴を履いたばっかりに(それを壊したばっかりに?)城に連れてこられた庶民なヒロイン。
手強い爺さん、群れるメイド。超非常識王子、エトセトラ。出るわ、出るわ、変な人。
こんな場所で大人しくしている彼女・・・なら話はそこで終わり、王子も汚れにならずに済んだ?
お互い、あり得ないほどに非常識な庶民と王子の、ラブになるかもしれないコメディ。
 6。

 失礼で、そして弱弱王子。名前はクリスロット。略してリス。
 彼は呆然としたまま、もう一度言った。
「というか、履いたのか? あれを」
「履いたよ」
 だって、爺さんが待ちかまえていたんだもん。と言うより早く、リスが言う。
「履けたのか?」
「ピッタリでした」
 でも、ヒールが八センチくらいあったからね。そして硝子だしね。あれで歩いたらヒール壊れるね。
 と言うより早く、またリスが言う。
「それなのに何故壊した?」
「あ、兵隊にケリくらわせて」
 ピッタリだったからこそね。うん。躊躇いもなく良いケリ入ったよ。そうそう。あんたんところの兵隊ね、なってないんじゃない?
 と言うより早く、またまたリスが言う。
「お前、足何センチだ」
「25」
「でかっ」
 リスは、そう言って机に突っ伏した。何だ。お前。失礼なことを言われたのは、あたしだぞ。何故、お前がダメージを受ける。
 と言うより早く、またまたまたリスが言う。今度は呟きだ。辛うじて聞こえてきた言葉は、以下の通り。
「信じられない。そんなでかい足の女がいるなんて」




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