硝子の靴を履いたばっかりに(それを壊したばっかりに?)城に連れてこられた庶民なヒロイン。
手強い爺さん、群れるメイド。超非常識王子、エトセトラ。出るわ、出るわ、変な人。
こんな場所で大人しくしている彼女・・・なら話はそこで終わり、王子も汚れにならずに済んだ?
お互い、あり得ないほどに非常識な庶民と王子の、ラブになるかもしれないコメディ。
 3、囚われの娘は、自ら脱出決行! 2

 絶対抜け出してやる。当然だろ。冗談じゃない。だからあたしがこんな事をするのは、これまた至極当然のことである。
 窓から見下ろしてみると、ここは三階。・・・三階か。微妙だな。一階、少なくとも二階なら良かったのに。
 そう思いながら、躊躇うこともなくあたしは用意を始める。カーテンとシーツ。どっちにしようかと迷って・・・気付いた。両方とも必要だ。何たって三階。足りるかと確認してみた結果。カーテンはレース状の物も合わせて大降りの物が八枚。小振りの物が四枚。シーツは二枚。・・・うん。これだけあれば、何とかなるかも。
 ホント、申し訳ないねぇー。と、シーツとカーテンには謝りつつ、あたしは用意を始めた。お婆ちゃんに教えて貰った、絶対解けない紐の結び方。こんな所で役に立つとは。お婆ちゃん。ありがとう。
 厚手のカーテンは結ぶことに手間取った。しかし他の物は慣れもあって、すいすいと作業が進む。いやいや、あたしの手際が良いのかね。もしかして。
 そんな風に自分を誉め殺し、調子に乗って一時間後。あたしは床に大蛇のようにうねる脱出道具を手に入れた。




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