硝子の靴を履いたばっかりに(それを壊したばっかりに?)城に連れてこられた庶民なヒロイン。
手強い爺さん、群れるメイド。超非常識王子、エトセトラ。出るわ、出るわ、変な人。
こんな場所で大人しくしている彼女・・・なら話はそこで終わり、王子も汚れにならずに済んだ?
お互い、あり得ないほどに非常識な庶民と王子の、ラブになるかもしれないコメディ。
 7、結局・・・何がしたいの? ねぇ、神様?

 ねぇ、神様。これ、神様の仕業?
「動かないで!!」
 メイドの悲鳴が響く中、あたしは後ろから首に右腕を回されて「ぐえっ」と声を上げた。おおおおい、おいっ。完全に締まってるって! 入ってるって! おい!!
 ギブギブギブ!! 必死に彼女の手を叩いてみるが、興奮した彼女は抵抗と受け取ったらしい。更に力が強くなる。・・・ぐえーっ。
「迂闊だったわ。見られていたなんて」
 そう言って、彼女は左手にナイフを持つ。そして、あたしの首筋にそれを当てた。
 ばたっと音がした。メイドが倒れた音らしい。こっちはそれどころじゃなくて、それを目で確認することも出来ずにいたけれど。てか、ぶっちゃけメイドとかナイフとかどうでも良いよ!!! ぐーるーじーぃー・・・。し、死ぬーっ。
「・・・お前、どういうつもりだ」
 リスの声が聞こえてきた。
「大人しくこっちの要求を聞いて貰いましょうか。クリスロット王子」
 クリスロット? 誰やねん。と、突っ込んでから思い出す。ああ、リスの本名だったねー・・・。そう思うあたしの視界には、かの有名な三途の川。向こうにお花畑が・・・わー。きーれいだなー・・・あははは・・・はははいいいいい、いかん! 戻れ、あたし!!! 生き返れ! ・・・ぐえーっ。生き返るとくるじいーっ。
「そいつの命が目当てか?」
「命? まさか」
「だったら・・・」
 大きなため息。それだけはハッキリ聞こえてきた。この野郎。こっちが酸欠で死にそうだってのに何だそのやる気の無さは!! と、こんな時にもリスに腹を立てているあたし。・・・いや、それは・・・最後の・・・あがきで・・・あり、まして・・・。
 あ、もう駄目。皆さん、さよーならー。そして三途の川よ。こんにちは。
「ちょっと力を弱めてやれ。そろそろ死ぬぞ。そいつ」
 そう思った時、やっとリスが救済進言してくれた。遅いよ! もう駄目! ・・・です。
「え? ・・・ぎゃっ」
 ぐてっ。と力を失ったあたしに、彼女の悲鳴。ぎゃっ、じゃねーだろ!! ぎゃっ、じゃ!! お前のせいでこうなったんだ!!!! あほたれー!!!




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